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#12敗者は負けではない(大竹樹)

選手会



本日の担当は選手会の大竹樹(中京大中京高校出身2年)です。

「敗者は負けではない」

広いグラウンドに笛が鳴り響く。崩れ落ちる中京大中京の選手たち。私は応援スタンドでただその姿を呆然と見つめていた。

高校最後の選手権、ずっと憧れていた瑞穂陸上競技場のピッチの上に私はいない。私にとってサッカーとは何よりも多くの挫折を味わったものである。

選手権にでて活躍してやる。そう心に決め高校に入学した。結局3年間でAチームでの出場時間は1年のときの県総体での15分間だけだ。膝の怪我がありサッカーをしていなかった1年間。復帰すると周りとの差が大きくあった。相手が向かってくると恐怖で足が震える。利き足でボールが蹴れない。毎日のように監督に怒られる練習。みんなに追いつこうと思うあまり空回りする試合。練習に行くのも憂鬱な気分だった。当時サッカーが嫌いだったかもしれない。辛い。逃げたい。楽したい。そんな弱気な言葉が頭の中で次々に生まれる。そんな中サッカーを続けれていたのは家族の存在が大きかった。毎日5時前に起きて朝練後、昼食、夕練後の3食分の弁当を作ってくれる母。県外の試合で私がでれなかったとしても応援に来てくれる父。疲れて帰ると明るい笑顔で「おかえり」と言ってくれる姉。恩返しできる唯一の手段は選手権に出ることだと思ったからだ。だがメンバーには入れなかった。

 挫折する人はたくさんいる。そういった人の気持ちが分かってあげられるのは挫折をたくさん味わった人だけだと思う。私はサッカーで敗者となり挫折を味わったことであたらしい夢ができた。挫折してしまったひとの心の支えになりたい。心が折れそうになっている人に手を刺し伸ばせるようになりたい。そして、そうすることが私を支えてくれた家族への恩返しになると思う。敗者になることを敗者と思うのではなく、その経験が次の経験や挑戦へと活かせることを私はサッカーから教わった。

 私にとってサッカーとは、楽しいだけではなかったが人生を大きく変えてくれたパートナーのような存在だ。サッカーから離れる日が来たとしても、これまでの経験を糧に挑戦を続けようと思う。