1. ホーム
  2. ブログ
  3. ブログ詳細

ブログ

Page 1「戻らない時間」 内田茉耶

ーココロノオトー



選手と比べればとても短いサッカー人生でしたが、私なりにサッカーに懸けた思いをまとめたので読んでいただけると幸いです。

 

私は、兄がサッカーをしていた影響でサッカーと出会いました。当時は“お遊びサッカー”と大して変わらず「楽しそう」という印象がありましたが、年を重ねるにつれてサッカーも本格化し、ユニフォームを身に纏いゴールへ向かう選手の姿がかっこよく、「やってみたい」と思うように変わっていきました。

しかし、周りにサッカーをしている女の子があまりいないという理由から、未知の世界へ踏み込む勇気が出ず、サッカーをしたいという想いを叶えることができませんでした。

「サッカーがしたい」という想いを抱えたまま大学に入学し、周りの友達がサークルを探す中、私はサッカー部の勧誘を必死に探しました。話を聞いていく中で「週6日活動、オフ1日 サッカー部はブラック」という周りの言葉にやはり踏み込む勇気が出ず、当時は入部までは至りませんでした。

未練が残ったままだった私は、TwitterやInstagramで流れてくる楽しそうなサッカー部をみて、「サッカー楽しそう。サッカー部のそばでなにかしたい」と思うようになりました。そして、同じ授業を取っていた選手やマネージャーから話を聞き何ヵ月も悩み、やっとの思いで入部を決めました。

11月とかなり遅い入部だったため、同期のマネージャーともかなり差ができており、選手から他のマネージャーを呼ぶ声が飛び交う中、私の名前が呼ばれることはなく、かなり焦りを感じながらサッカー生活の幕を開けました。

 

 

そしてすぐにシーズンオフを挟み2年目のシーズンが始まった…と思いきや、コロナウイルス感染症の流行が始まり、活動停止や試合中止が相次ぎ思うように活動することができないままシーズンオフを迎えました。

 

 

3年目を迎え、コロナ禍でありながらも縮小開催という形で試合を行うことができ、徐々にチームにマネージャーとして求められることや、自分がどうあるべきかを掴み始めました。数少ない試合数の中でいかに結果を残すことができるかという選手の必死な姿を横目に、マネージャー業をミスなくこなすことに必死で、まともに試合を見られたことはありませんでした。そのため、試合後に選手が試合を終えて反省点やプレー中に感じたことを話している際も「そんなことがあったんだ。」や「この時はこの人が得点決めたんだ。」と試合に帯同していたにも関わらず、全くチームについて知らないと実感し、落ち込む日々が続きました。

それでもこの部活をやってこられたのは、「ありがとう」「さすがまやちゃん」「ナイス!」と声を掛けてくれた、選手やスタッフの存在があったからだと思っています。

 

 そして、この年は中京大学で国体チームを作ることとなり、ありがたいことにマネージャーとして帯同させてもらうことができました。中京の中でも複数のチームから選抜された人たちが集まり、レベルの高い環境でマネージャーをすることができ、今まであまりコミュニケーションを取ったことがない選手とチームを組むことができたことで、新鮮かつ刺激的で私にとってとても良い経験ができました。

結果としても本国体出場決定という素晴らしい成績を収め、出場を決めたゴールシーンは今でも見直しては鳥肌が立ってしまいます。

それくらい私にとってこの国体は印象深いもので、大学サッカーの中で“サッカーとは何か”を考えさせられる大きなターニングポイントになりました。惜しくもコロナ禍で本国体が中止になってしまいひどく落ち込み、これほどコロナウイルスを恨んだことはないというほど「くそっコロナめ!!」と恨みました。

本国体には出場できませんでしたが、素晴らしい瞬間に立ち会わせてくれた国体メンバーには感謝してもしきれません。この場を借りて、ありがとうと伝えさせてください。

 

しかしそう思ったのは束の間、サッカー熱はすぐに冷めてしまい本気で退部を考えました。何のためにマネージャーをしているのか。朝早く起きて選手のために走り周り、選手からはマネージャーはいることが当たり前だと思われる練習に嫌気が差していました。

気付けばこの部活に所属していることで、貴重な大学生活を無駄にしているのではないかと考えるほどネガティブモードに入ってしまいました。

それでも「本当にきつかったらやめてもいいと思うよ。ただ、俺たちはまやちゃんのことを本気で信頼しているし、まやちゃんが選びたい方を選べばいいと思うけど、俺は全力で止めさせてもらうよ」「まやちゃんがマネージャーでよかった。」「大変だと思うけどなにかあったら頼れよ!」「卒業まで一緒に頑張ろうや!」と相談に乗ってくれた選手からの温かい言葉に救われ、この人たちが預けてくれた大切な大学4年間を悔いのないように、やり切った!と笑顔で終わることができるよう僅かな力ではあるけれど、マネージャーとしてサポートしようと強く思いました。

 

 

 大学4年生になり、引退までのカウントダウンが始まりました。私が朝グラウンドに着き第一に考えることは、「今日は選手のためになにができるか」「自分はなにのためにここにいるのか」ということでした。限られた時間の中で少しでもチームのために動こうと心に決めていました。

そこで、今まであまり選手とのコミュニケーションがとれていなかったため、掛けられる範囲で選手に声を掛け、どんなことを思っているのかを知るということを心がけ、1年間活動を行ってきました。

そのおかげか、今では「まやさん!」と下級生からも声を掛けてもらうことができ、自分が作り上げてきた居場所を実感することができました。

 

 結果として愛知県選手権では惜しくもFC刈谷に敗れ、リーグ戦では4位という成績を残しました。皆が思い描く結果ではなかったかもしれませんが、無駄な試合は1試合もなかったと私は感じています。

それでも、対戦相手に点を決められたあとや、チームが下向きになってしまっているときには、サッカーの知識があまりない私でも「下向くな!やるしかないよ!!」などと叫びたくなる時もありました(笑)というよりいつも声を出さない私が声を出せばなにかチームの雰囲気が変わるのではないかと思いました。

そして迎えた全国社会人サッカー選手権大会。

この大会で最大上位3位に入らなければ私たち4年生は引退となります。

さらに4年生13人全員が揃うには必ず1回戦を突破しなければなりませんでした。

ところが、おこしやす京都ACに2-0で敗れ、4年生は大学サッカー生活に終止符を打ちました。13人揃って引退を迎えることは叶いませんでしたが、このチームのために各々の場所で頑張ってくれていた皆のおかげで迎えることができた結果だと思います。

 

思うことはたくさんありますが、とても濃い1年すぎていい意味で書くことがありません。

 

CU 4年生へ

まず、大学4年間サッカーお疲れ様でした。

最後の年をみんなと過ごすことができて本当に良かったです。

4年生は人生の大切な決断を行う時期で、慣れない環境や自分と向き合う時間など怒涛の1年間だったと思います。そんな中でも毎日練習に参加し、チームのために動いてくれてありがとう。

正直、まだみんなとサッカーがしていたかったです。怪我で試合に出られない日々が続いた選手や、目標のために部活動にあまり来ることができなかった選手。皆が揃ってサッカーする姿をもっと見ていたかったです。

毎日会っていたのに引退することで急に会えなくなると思うと、本当に寂しくて私がどれだけ恵まれた環境にいたのかと痛感させられます。

口数も多くなく、ただ目の前の仕事をこなすことに必死でみんなの力になれていたかはわかりませんが、少しでも力になれていれば嬉しいです。

最後の1年間。そして、サッカー人生の大切な節目にマネージャーさせてくれてありがとう。

 

CUの1,2,3年生へ

まだ少し残っているけど、今シーズンお疲れ様でした。

率先してチームのために動いてくれて救われました。本当にありがとう。

CUには本当に面白い子が多く、よく笑わされていました。これからもあのユーモアは忘れずにいろんな人を笑顔にしてあげてください。

今シーズン学んだことや感じたことは絶対に忘れず、来シーズンに活かしてください。

残り少ない今シーズンですが、4年生が抜けることで多少の負担は増えると思います。

そんな時はスタッフ、選手ともに協力し合ってより高めあえるチームにしていってください。

本当にこの1年間、CUという素敵なチームでマネージャーをさせてくれてありがとうございました。これからのみんなの活躍を心から楽しみにしています。

 

最後に私が4年間マネージャーをしてきて感じたことが1つあります。

それは『迷ったら勇気のいる方を選べ』です。

私は勇気が出ず、途中入部という形でサッカー部に入部しました。

そして何度も「なんで4月から入らなかったんだろう」と後悔してきました。

しかし、サッカー部には何事にも恐れることなく挑戦することができる人たちが多くいるということを知りました。

これから先、過ごしていく中で決断を迫られる機会がたくさんあると思います。

そんな時はぜひ、勇気のいる方に挑戦してみてください。失敗したら違う道をまた選んだらいいと思います。今しかできないことに挑戦して、後悔のない日々を過ごして欲しいと思います。

 

 拙い文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

そして、大切なサッカー人生を任せていただきありがとうございました。

私にとってこのサッカー部に入部したことは絶対に価値のあることで、誰よりも充実した大学生活を送ることができた自信があります。本当にありがとうございました。