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Page30 「当たり前」 古橋智也

ーココロノオトー



今シーズン中京大学FCの主将を務めさせていただいた古橋智也です。これまでのサッカー人生を振り返ると嬉しかったことよりも悔しかったことの方がはるかに多いような気がします。今回の引退ブログでは、私がサッカーを通して経験したことの中から皆さんに伝えたいことを綴ろうと思います。拙い文章ですが読んでいただけると嬉しいです。


ここからはタイトルの「当たり前」について書いていこうと思います。

私は3歳からサッカーを始めて現在に至るまで18年間ひたすらサッカー漬けの毎日を過ごしてきました。そのため、何不自由なくサッカーに打ち込めることが当たり前になってしまっていました。しかし、大学4年生になった今年は6月に左足の腓骨を骨折して、当たり前だった日常をすべて取り上げられるような経験をしました。よく「当たり前のことに感謝しなさい」と言いますが、正直自分がその立場にならない限り本当に感謝することは難しいと思います。私は自力では何もできないような状態になって初めてその言葉の意味を理解することができました。キャプテンとしてチームを引っ張らないといけない立場である私が自力で歩くこともできず、逆に周りの人に迷惑をかけてしまっているという事実を受け止めるのには本当に苦労しました。特に7月の全社東海予選の時は、チームメイトが全国出場をかけて戦っているにも関わらず、私は松葉杖をついていて、ホテルのビュッフェすら誰かに持ってきてもらわないといけないような状態でした。あの時は本当に自分が惨めで情けなかったです。そこからリハビリを重ねて9月の初めに何とか復帰することができましたが、少しコンディションが上がってきた段階で今度はモモ前の肉離れをしました。全社まで時間がなかったのでプレーは続けましたが、結局最後までパフォーマンスは戻らず全社でもプレーできませんでした。

この経験を通して私が伝えたいのは、「今当たり前にできていることが当たり前にできているうちに全力でやれ」ということです。サッカーに限らず、仕事でも遊びでも何でも当たり前になっていることが突然当たり前でなくなることがあります。私の場合はそれが大好きなサッカーの引退間際に起こりました。前までは当たり前にできていたプレーが全くできず、最後はたった5mのインサイドキックですら痛みでまともにできない状態になりました。このような辛い経験は、しないで済むならしないに越したことはありません。しかし、日頃からいつ「当たり前」を取り上げられても後悔しないように過ごすことができていれば、もしそうなってしまったとしてもその困難に屈することなく乗り越えていけると私は思います。


ここまで色々と偉そうに書いてきましたが、正直私は死ぬほど後悔しています。これまでサッカーを続けてきましたが、今年は私がサッカーをプレーする最後の一年になることはずっと前からわかっていました。だからこそ天皇杯もリーグも国体も全社も自分の力で勝ち取りたいと強い決意をもってシーズンに臨みました。しかし、シーズンの半分以上は試合に出られず、チームとしてもタイトルを獲ることなく終わってしまいました。怪我をした時こうしていればとか、あそこで一回休んでおけばとか思い返すときりがないぐらい後悔で溢れています。ただこれらは全て結果に対しての後悔です。私が今シーズン積み重ねてきた努力に対しては何の後悔もありません。シーズンを通して毎回のトレーニングに全力で臨んだし、オフの日の自主練や筋トレも妥協することなくやり続けることができました。努力を積み重ねたからこそ10分間だけ出場できたリーグ最終戦で逆転ゴールの起点となる縦パスを出せたのではないかなと思います。あのプレーが現役ラストプレーだったというのがセンターバックだけど守備は大嫌いな私らしくて好きです。話を戻すと、これだけやっても怪我をして、結果も出なかったのだから完全に力不足だったのだと思います。この悔しさをサッカーで晴らすことはもうできませんが、社会に出てこの経験を私の強みに変えられるようにこれから頑張っていきたいです。


これまで18年間サッカーをしてきましたが、私の周りにはいつも仲間がいました。特に今年は最終学年になって、光栄なことにキャプテンまでやらせてもらい、中京大学FCのみんなという最高の仲間を作ることができました。サッカーに対して誰よりも真摯に向き合い努力し続ける同期がいて、ピッチ外では生意気でもピッチ内ではめちゃくちゃ頼れる後輩がいました。そんな仲間にこの場を借りてメッセージを送らせてください。


同期へ

だいぶキャラが濃い13人だったけどとにかく楽しかった。頼れる同期だったからこそ自分がプレーできなくても俺は最後までキャプテンをやれた。辛い時に支えてくれてありがとう。これからの進路は違うけどそのうち集まって思い出話に浸ろう。海外で挑戦する三人はとにかく頑張れ。この一年、自主練も筋トレも飯も温泉も遠出するときもいつも三人が一緒だった。きついことがあっても三人のサッカーに対する姿勢と覚悟があればきっと大丈夫。俺はここでサッカーを辞めるけど、三人に負けないように一人の社会人として頑張りながら日本から応援しています。


後輩へ

練習中意地になって股ばっかり狙ってくるやつがいたり、フルで試合出たのに「智也君、今日何トレしますか?」って筋トレに誘ってくるやつがいたり、一週間で何回もがめつく飯に誘ってくるやつがいたりとめちゃくちゃ癖強かったけど、なんだかんだ可愛い後輩だった。毎日楽しませてくれてありがとう。我が強すぎて来年が心配だけど、みんなめちゃくちゃ上手いから自信もって頑張ってほしい。時間見つけて応援しに来ます。


最後になりますが、これまでサッカーを通して私に関わってくださった全ての皆様、本当にありがとうございました。皆様のおかげで少しはまともな人間になれたと思います。私はこれでサッカーから離れますが、サッカーで培った経験を糧にこれからかっこいい大人を目指して頑張っていこうと思います。


まとまりのない文章になってしまいましたが私が伝えたいことが少しでも伝わると嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。