Page3 「今日が最も最高だ。そして明日はもっと最高になる」 飯坂唯人

11月5日(日)の試合をもって15年間のサッカー人生を終えた。引退した気持ちを忘れないうちにこの文章を書こうと思う。
引退して率直に「寂しい」と感じている。
今までは月曜日にオフがあり、火曜日から金曜日まで練習して土日に試合がある。この生活サイクルが当たり前だった日々から、明日から何の予定もない日々が始まると思うとはっきり言って何をして良いか全く想像がついていない。また、洗濯物を干している時に今までは練習着だらけだったのが少しずつ練習着の数が減っていく。そんな生活の中からも寂しさを感じる。
高校3年生の秋に大学サッカーを続けるかどうか悩んでいた。ただ、明確に大学サッカーを続けようとした理由は正直ない。「なんとなく辞めたくなかった」「サッカーが好きでまだサッカーを続けていたい」そう思ったからだと思う。しかし、実際はそこまで甘い世界ではなかった。高校までは試合に出られないという思いをしたことはほとんどなかった。だが大学サッカーにもなると全国から実力者が集まってくる。初めて体感するレベルの高さに驚愕したことはよく覚えている。今まで自分がとても狭い世界にいたということを思い知らされることとなった。
しかし、「自分は負けていない」「自分ならできる」そう信じ抜き、真面目に取り組むことができたからこそ4年間毎年試合にも出してもらえることが出来たのだと今では思っている。
そして大学3年生の頃、就職活動を始めていく中でこんな質問を受けたことがある。
『なぜサッカーをしている?』『大学までサッカーを続けているのはなぜ?』
今この文章を読んでくれている下級生がいるならばぜひ考えてみて欲しい。
当時は正直答えがすぐに思いつかなかった。ただ、考えていく上で自分なりの答えが出た。
『誰かと一緒に本気になって同じ目標を目指すということがとても楽しいから』
と、私自身はこの答えに至った。毎日当たり前のように練習にきて、友達と一緒に練習して練習終わりにはご飯を食べに行ったりしょうもない会話で盛り上がったりとこの日常がとても楽しかった。練習中、普段は仲の良い人と言い合いになることもある。ただ、終わればまたいつものように仲の良い関係に戻る。こんな本気で向き合える仲間がいるからこそ一緒に目標に向かうことが最高に楽しいことだと感じた。
今の当たり前の日常がどれほど貴重で、素晴らしいものなのかということを感じてもらいたい。今は嫌なことがあってもどれだけ疲れていたとしてもグランドに行けばみんなと会えてまたサッカーに向き合える。この日常は決して当たり前のものではない。全員が体験できることでもなければ、簡単に得ることができる日々でもない。全員が数々の困難や苦難を乗り越えて今も頑張れている。そんな素晴らしい人たちと最後まで頑張りきることが出来たことにとても感謝し、満足している。ただ、もっと早くこの当たり前の日常に気づくことができれば毎日をより頑張ることが出来たと後悔もしている。
後輩たちにはぜひ1日1日を大切にして、仲間との時間を有意義に過ごして欲しいと思う。サッカーを続ける目的は、プロを目指す、就活に活かす、好きだからなど人それぞれだと思うが、ぜひ最後までやり切って欲しいと思う。やり切ったからこそ感じることや学ぶことはたくさんある。理不尽に怒られること、辞めてしまいたいともうこともあるかもしれない。そんな時は周りにいる仲間に頼りまくって欲しい。きっとそれだけでも続ける理由にはなる。
みんな頑張れ!
最後にサッカー人生を終えて、本当にここまで続けてくることが出来てよかったです。きっと今の飯坂唯人という人間はほとんどがサッカーで形成されていると言っても過言ではないと思います。そんな今の自分を作ってくれた、サッカーを通じて出会えた全ての人にとても感謝しています。
最後観客に挨拶した時にみた景色は一生忘れることはないと思います。サークルと言われた1番下のカテゴリーの自分たちのために時間を空けて駆けつけてくれた仲間や家族など、自分にはこんなにも多くの仲間がいることを教えてくれた。仲間と一緒に頑張ることはこんなにも楽しいことだと教えてくれた。きっとサッカーを通じて出会えた仲間と共に過ごした日々こそが今後の人生の宝物になっていくと確信しています。同時にこれからの人生の武器にもなり、どんなに辛いことがあったとしてもきっと乗り越えていける。サッカーで体も心も鍛えてきた。怖いものなんて何もない。
自信を持って次のステージに向かっていきます。
そして、今日まで支えてくれたお父さん、お母さん。
長年、支えてくれてありがとう。引退の日に直接言えなくてごめん。絶対泣いていました。
家族の支えがあったからこそ今日まで続けてこられたと思う。昔からどれだけ遠くても休みを作って観にきてくれてそれだけで自信とモチベーションになったよ。怪我した時の送り迎えもありがとう。1人じゃ絶対にここまでの選手にはなれていなかった。本当にありがとう。
また家族4人で旅行でも行こう。最後まで一緒に戦ってくれて本当にありがとう。
今まで関わってくれた全ての人に本当に感謝しています。ありがとうございました。
