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Page21 「躍心」 小林泰嘉

ココロノオト~season2~


 「躍心」これは2019シーズンの筑波大学蹴球部のスローガンである。また、その時のビジョンは「人の心を動かす存在」である。では、なぜ私が2019シーズンの筑波大学蹴球部のビジョンとスローガンを知っているのかと言うと、当時高校3年生だった私は筑波大学蹴球部に入ることを目指していたからだ。また、実際私自身そのビジョンとスローガンに心を動かされたからだ。昨年、TOPチームがインカレで最後に試合をした相手が筑波大学だったことに何か縁を感じてしまうが、高校生の私は筑波大学の選手としてその場面で躍動している自分を想像していた。結果的に受験に失敗し、筑波大学の選手としてサッカーをすることは出来なかったし、中京大学のサッカー部員としてインカレに出場することもできなかったが、私はこの「人の心を動かす存在」という言葉を大事にしていたし、これからも大事にしたいと思う。

では、ここからは私がこの言葉を大事にしていた理由を述べるために、4年前私が中京大学に入学する前から簡単に振り返りたい。まず、中京大学に入学する前、もちろん1年間浪人してもう一度筑波大学を受験することも考えた。しかし、当時私はプロサッカー選手を目指していたため、両親や友達と相談する中で、1年間勉強しながら、かつ部活動のように強度が高く頻度も多いコミュニティに属さずにコンディションを保つのは難しいと考え、中京大学で4年間サッカーを続けることを決めた。高校までとは違う新たな環境と新鮮な気持ちで中京大学サッカー部に入部すると、早速TOPチームでプレーさせてもらい、このままプロになってやるぞという気持ちでサッカーに打ち込んだ。しかしわずか1か月程でU-20のチームに戻されてしまい、U-20に戻った後も思うようなプレーが出来ず、結果的にほとんどIリーグの試合に絡むことが出来なかった。悔しさと不甲斐なさを感じながら2年次はCFCに所属し、まずはTOPチームに戻ってやるぞと闘志を燃やしていたが、ここでも活躍することが出来ず、次第に毎日の練習を淡々とこなすようになっていった。さらに、自分とは反対に、1年前一緒にプレーしていた選手がTOPチームで活躍するのを目の当たりすると、彼らのレベルの高さを痛感し、プロサッカー選手になるという夢は愚か、TOPチームに昇格する事さえも現実味が無くなっていった。では、プロサッカー選手という目標が消えかけ、この先何を目標にサッカーを続けていくべきか考えたとき、この「人の心を動かす存在」という言葉を思い出した。この時、私はサッカーで誰かの心を動かしたいと強く思った。実際、サッカーの試合で見る人の心が動く瞬間はたくさんあると思う。後半ラストプレーで劇的ゴールを決める瞬間、ゴールラインギリギリでディフェンダーがピンチを防ぐ瞬間、ゴールキーパーがビッグセーブをして雄叫びを上げる瞬間、怪我で長く離脱していた選手がピッチに立つ瞬間。その瞬間、見ている人は確かに心を動かされるし、自分もあんなプレーがしたいと感じたり、自分も頑張ろうと思えたりする。これは私が好きなアーティストを見ているときと似ている感覚だと感じていて、彼らは医者や介護士のように直接誰かの生活を支えているわけではないが、彼らのパフォーマンスや言葉が見る人に勇気や感動を与え、間接的に生活を支えていると感じる。実際彼らのパフォーマンスを見ていると、なかなか仕事が上手くいかない人でもそのことを忘れてしまったり、明日から仕事頑張ってみようと思わせたりする。だから私も誰かの心を動かし、見ている人に活力を与えたいと思ったし、サッカーを通して誰かに応援される人間になりたいとも思った。3年次4年次はU22Aに所属したが、私はそのために最後まで全力で走ったり、献身的に守備をしたり、不平不満を吐かないようにしたりした。サッカー以外の面でも、3年次に4か月間海外留学をしたり、3年次4年次に教育奨励賞を受賞したり、中京大学の学長と対談をして大学のパンフレットに掲載されたりと、少しは功績を残すことが出来たのではないかと感じる。もちろんこれら全て自分だけの手で成し遂げたのではなく、両親や周りの人の支えがあってこそ達成できたことではあるが、これら自分の行動が周りの人の心を動かせていたら嬉しく思う。そして、これからもこの「人の心を動かす存在」という言葉を大事にして、自分自身躍心していきたい。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。私に関わった全ての指導者方、両親、仲間に感謝します。小学生時代にサッカーの楽しさや妥協しないメンタルを教えてくれた小曽さんと、いつでも自分の支えとなってくれた両親には特別感謝しています。最後に少しだけ両親へ感謝の気持ちを書いて終わろうと思います。

 

 父はサッカーに関してあまり口を出す事は無く、寡黙な性格だけど、小さい頃から近くで支えてくれたし、仕事があるにも関わらず遠い場所の遠征や試合を見に来てくれて感謝しています。高校で選手権の前に頑張って作ってくれたモチベーションビデオは、みんな絶賛してたし、嬉しかったです。ありがとう。母はサッカーだけじゃなく、進路のことを一緒に考えてくれたし、自分がやりたいことをやらせてくれて感謝しています。あと、大学のサッカーの試合だけじゃなく、ソサイチやフットサルも見に来てくれて、少し嫌だったけど嬉しかったです。ありがとう。

 

P.S. 兄へ 東京で就職したから会う機会は減ったけど、たまにくれる一言がためになりました。ありがとう。